愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「ありがとうございました。この後、何枚かお写真を撮らせていただいてよろしいですか?」
笑顔でそう尋ねると、社長は眉間に皺を寄せ、あからさまに嫌そうな顔をした。
「どうしても写真がないとダメか?」
「えっ? ……いえ。どうしても、ということはありません。インタビューの内容のみ掲載をご希望でしたら、私から上司にそう説明いたします」
社長が写真を載せてほしくないと言えば、もちろんその意思は尊重されるだろう。多くの人に見られるのが嫌な気持ちなら、私にもよくわかる。
ただ、社長のような人はそういうことに慣れていると思っていたけれど。
「いや……やっぱり忘れてくれ。写真があった方がいいのはわかっている。撮るなら窓際がいいか?」
葛藤を振り切るように前髪をかき上げた社長が、ソファから立ち上がる。
「は、はいっ。それでは、デスクの方へお願いします」
椅子に腰を下ろしてもらい、カメラを構える。ファインダー越しに見える社長が、眉間に皺を寄せた。
「ポーズと目線は?」
「えっ……と、そうですね」
インタビューばかりに気を取られ、撮影のことまで頭が回っていなかった。
カメラを下ろして逡巡していると、一歩離れた場所で見守っていた新町さんが歩み寄ってきた。