愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「……会いたいんです。遼河さんに」
電話やメールじゃなく、彼の目を見て、この気持ちを伝えたい。離れていたら不安になるのは、私も同じだから。
「……きみの口からそんな言葉が聞けるなんてな。わかった。すぐに準備をするから、友達の家がある場所の情報を送っておいてくれ」
「わかりました。よろしくお願いします」
通話を切った私は、すぐに琉美に伝えなければと、くるりと室内へ体の向きを変える。
すると、いつの間に起きたのか、琉美が窓に張り付くようにしてこちらを見ていたので心臓が止まるかと思った。
「る、琉美……まだ寝てたんじゃなかったの?」
「小雪が窓を開ける音で起きたの。私に遠慮せずラブラブな会話を聞かせてくれたってよかったのに」
私を室内に迎え入れつつ、琉美が残念そうにそう言った。
「どうして遼河さんと電話してるってわかったの?」
「小雪の顔見てればわかるよ。ちょっと恥ずかしそうで、それ以上にすっごく幸せそうなんだもの」
気づかないところでそんな風に思われていたと知り、かぁっと頬に熱が集まる。
そっか……。私、遼河さんと話している時、無意識にそんな顔になっているんだ。