愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
初めて、遼河さんの口からその言葉が聞けた。
これまでも、期待を抱かせるような言動はあったものの、それが彼の本心なのかどうかはいつも自信がなくて……ふたりきりのヴィラで体を重ねた夜でさえ、彼の気持ちがハッキリとは見えなくて、その不安を体の熱でごまかそうとしてた。
「遼河さん……夢、じゃないですよね? もう一度、聞かせてください、あなたの気持ち……」
切実な目で頼み込むと、遼河さんは甘く微笑んで、私の顔を両手で包み込んだ。
至近距離で瞳を覗き、そっと囁く。
「きみのためなら、何度だって言ってやる。……俺は小雪が好きだ。もう、きみのいない人生は考えられない」
情熱的な言葉に、甘い眼差し、そして頬に触れている手のひらの温もりから、彼の愛情がとくとくと胸に注がれていく。それはとても幸せな感覚だった。
「遼河さん、私も……。私も、あなたが大好きです」
自然と浮かんだ涙で瞳を濡らしながら、震える声で伝える。
遼河さんはこの上なく愛おしそうに私を見つめ、両手でぐっと私の頭を引き寄せると、ぶつかるように唇を合わせた。
「んっ……」
長めに一度唇を合わせた後、遼河さんは私の背に腕を回し、ギュッと抱きすくめる。
「もう、契約夫婦はおしまいだ。契約で縛らなくてもきみはここにいる。俺の腕の中に、ずっと」
「はい……」
私は温かい腕の中で、幸福を感じながら目を閉じる。
愛のない契約夫婦だった私たちが、本当の意味で夫婦の絆を結ぶことのできた、尊い瞬間だった。