愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「人事部の方でも、複数人で編集をチェックをするんだろう。インタビューには完璧に答えたから、わざわざこちらで確認する必要はない」
言葉を発した本人のチェックがあった方が、お互いにとって納得がいくものが出来上がると思ったのだけれど……忙しい社長に頼む仕事ではなかったようだ。
不手際をなくそうと思ったそばから判断を誤ってしまい、軽く落ち込む。
「……失礼しました。それでは、本日のお話を元に説明会資料を作成し、編集もこちらに一任していただくという流れで進めて参ります」
「仲真さん。もしご心配なようでしたら、僕宛てにでも送ってください。社長に代わって確認しますので」
唯一の救いは、ここに新町さんがいてくれたことだろう。もしも社長とふたりだけの空間だったら、落ち込むだけでは済まなかった気がする。
「ありがとうございます。その時はまた改めてご連絡させていただきます。それでは、私はこれで」
「お疲れ様でした」
社長室のドアを出て、ふう、と息をつく。
今日一番の大仕事が終わった……。
社長の整いすぎている見た目、相手に有無を言わせないクールな言動は苦手だけれど、話していることはまっとうだった。
会社のトップと言葉を交わす機会なんて普通はないと思うから、貴重な経験だったと思うことにしよう。