愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「彼女の本来の性格は控えめで、こうして人前に出ることも苦手です。しかし、社長として常に矢面に立っている私の妻であるせいで、社内外問わず、心ない人間からの誹謗中傷の被害に遭ったり、許可なく写真に撮られたり……許されざる案件がいくつか発生しました。そこで彼女は、勇気をもってカメラの前に立つことに決めました。嫌がらせには屈しないと意思表示するためです」
遼河さんが強い口調でそう言うと、これまで私たちを睨みつけていた小鹿さんが、思わずといった感じにふいっと目を逸らした。
遼河さんの話した内容に、心当たりがあるせいだろう。
泣き寝入りするよりも徹底的に対抗すべきだと言う彼の言葉を信じ、私もこうして動画に出演することを決めた。
「ご覧になっている方の中には、火に油を注いでいると考える方もおられるかもしれません。しかし、ご心配には及びません。妻のことは私が必ず守ります」
彼の言葉は撮影のために用意されたセリフというより、遼河さんの本心。嘘偽りのない、彼の私への想いが込められている。
しかし、守られるばかりでは、以前の私と変わらないから――。