愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「私も完璧な人間ではなく、至らない点がたくさんあります。それを一つひとつ克服する努力をし、時には夫に支えてもらい、私は私をもっと成長させたいと思っています。ですから、今後もどうか、私たち夫婦を温かく見守ってください」
遼河さんの手が、私の手をギュッと握る。そうして手を繋いだ私たちは、カメラに向かい深く一礼する。
予定にはなかったことだが、撮影に参加していたスタッフたちから、自然と拍手が漏れる。
中でも新町さんはとびきり張り切って手を叩いてくれた一方、小鹿さんだけは最後までそっぽを向いていた。
やがてカットの声がかかると、緊張でこわばっていた体からふっと力が抜ける。
モニターを確認した撮影スタッフから両手で作った大きな丸のサインが出ると、遼河さんと目を合わせて微笑み合った。
「頑張ったな、小雪」
「いえ。遼河さんが隣にいてくださったから……」
私がそう言って彼を見つめると、甘い目をした遼河さんがこちらに手を伸ばし、指先で私の頬に触れる。
撮影自体は終わったとはいえ、周囲にまだ広報部の面々がいるので、照れくさいのがつい顔に出て頬が熱くなる。