愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「なんですって? 私には何のことだかさっぱりわかりませんが」
「そうですか。では、明日発売の週刊誌をご覧になるといいでしょう。錦糸町のラブホテルを連日愛人と訪れ、週末には温泉旅行に出かけ、あろうことかその旅費を経費で精算しようとした有名自動車メーカー重役、O氏という方について、詳しく書かれているはずです」
鬼瓦の顔色が変わった。動揺を隠しきれておらず、目があちこちに泳ぐ。
「なんだそれは。聞いていないぞ。私には関係ない!」
「関係ないはずはありません。愛人の女性の証言、メッセージアプリのスクリーンショット、あなたの秘書が保持していたやけに高額な交際費の領収書名護の証拠が、こちらにはすべて揃っておりますので」
「ぐぬ……っ。あいつら、金に目が眩んだか……つ」
鬼瓦は目を血走らせ、拳を握る。自分が金や女に汚い人間だから、そんな発想になるのだろう。
俺を女性関係のスキャンダルで貶めようとして失敗したのも、結局は彼自身がどこまでも低俗だからだ。
「金? 勘違いしないでいただきたい。みな、あなたのような人間のクズに制裁を与えたいと思っていただけです。中でもとくにあなたへの恨みを募らせている方とお電話を繋いでありますので、どうぞ好きなだけお話しください」