愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
遼河さんはきょとんと目を瞬かせた直後、ぐいっと顔を横に逸らして顔の下半分を手のひらで覆った。
なんだかとても気まずそうなオーラが出ている。
「それは……確かに配慮が足りなかったな。壁のリフォームを検討する」
「ありがとうございます!」
こんなにあっさり受け入れてもらえるのなら、もっと早くに相談すればよかった。
両手を合わせて感動していると、遼河さんが咳払いをして、気を取り直したように食事に戻る。
「しかし、すぐには変えられないだろうから、それまでカーテンでもつけるか」
「新町さんなら、そういうの探すのお得意なんじゃないですか?」
「いや、アイツには頼まない。俺たちの家のことだろう」
ぴくっと眉を震わせた遼河さんにそう言われ、肩をすくめる。
「そうですね。……安直でした、すみません」
前に、社長室で私の薬指のサイズを測り、おススメのジュエリーブランドを提案する新町さんはなんだか生き生きとしていたから、軽い気持ちで提案してみたのだけれど……言われてみれば、こんなプライベートなことまで秘書の仕事じゃないよね。
食卓の空気がちょっぴり重くなってしまった気がしたので、他の話題を探す。