偽王子と、甘い偽恋
腹黒王子との新生活、再び。
レストランから、ようやく家へと帰ってきた。
コース料理はお腹いっぱいに食べられた。この手のコース料理は男性には少し物足りないと聞いていたので、もしかしたら私もそれほど膨れないのではないかと思っていたけれど、実際は食べきれないほどの量が出てきた。
その理由は、この腹黒王子にある。
コース料理を運んでくるスタッフさんに向かって、それはそれはもう、素晴らしい笑顔で「うちの彼女、食いしん坊なので。たくさん持ってきてください」なんて言葉を吐いてスタッフを困らせる、本物の鬼だった。
当然、本人は冗談のつもりだったのだろうけれど、有名企業の御曹司を前にしては、店側も冗談では済ませられなかったらしい。
下準備などで元々用意していた使う食材も料理も決まっていたはずなのに、この腹黒王子の一言で、一瞬にして料理の追加をさせてしまった。
「あんた、絶対子供の時クソ生意気に大人のこと困らせたでしょ…」
「さあ?」
そんな生返事をしながら、彼は手慣れた動作でネクタイを緩めている。
今の態度もクソガキだし、生意気。その態度はちっとも可愛くないけれど、ネクタイを緩める仕草だけは、悔しいほどに格好いい。百点満点、大優勝。さすが顔面国宝。心の中でしっかりと、貶しつつも褒めちぎる。
楽な格好に着替えようと自分の部屋に向かおうとした時、「なあ」と後ろから声を掛けられた。
コース料理はお腹いっぱいに食べられた。この手のコース料理は男性には少し物足りないと聞いていたので、もしかしたら私もそれほど膨れないのではないかと思っていたけれど、実際は食べきれないほどの量が出てきた。
その理由は、この腹黒王子にある。
コース料理を運んでくるスタッフさんに向かって、それはそれはもう、素晴らしい笑顔で「うちの彼女、食いしん坊なので。たくさん持ってきてください」なんて言葉を吐いてスタッフを困らせる、本物の鬼だった。
当然、本人は冗談のつもりだったのだろうけれど、有名企業の御曹司を前にしては、店側も冗談では済ませられなかったらしい。
下準備などで元々用意していた使う食材も料理も決まっていたはずなのに、この腹黒王子の一言で、一瞬にして料理の追加をさせてしまった。
「あんた、絶対子供の時クソ生意気に大人のこと困らせたでしょ…」
「さあ?」
そんな生返事をしながら、彼は手慣れた動作でネクタイを緩めている。
今の態度もクソガキだし、生意気。その態度はちっとも可愛くないけれど、ネクタイを緩める仕草だけは、悔しいほどに格好いい。百点満点、大優勝。さすが顔面国宝。心の中でしっかりと、貶しつつも褒めちぎる。
楽な格好に着替えようと自分の部屋に向かおうとした時、「なあ」と後ろから声を掛けられた。