偽王子と、甘い偽恋
⋆ ˖ ⏱︎.ᐟ
車に強引に乗せられてから三十分後。
私はなぜか、街中でも有名な高級サロンにいた。
臣くんは私の背中を軽く押すと、「綺麗な感じで仕上げてやってください。似合いそうなワンピースでも着せて…、基本お任せします」とスタッフに言いつける。
私は状況が飲み込めないままスタッフに連れ去られ、なすがままにメイクやヘアセット、さらには服まで着替えさせられるという、怒濤の展開に放り込まれた。
どういう状況かもわからないけれど、プロの手捌きに逆らうこともできず、ただされるがまま。困惑する私をその場に残したまま、臣くんはどこかへ姿を消してしまった。
一体、どういう状況なんだ、これは…。
鏡の中に映る、自分であって自分ではないような、お膳立てされていく姿を、私はただ呆然と見つめ続けていた。
⋆ ˖ ⏱︎.ᐟ
一時間ほど経った頃だろうか。
プロの手によって魔法をかけられた私は、鏡の中に立つ自分ではないような姿に呆然としていた。結愛さんに仕上げられた時もそうだったけれど、やっぱりプロの技はすごい。
繊細なレースがあしらわれた、落ち着いた色味でふんわりとした雰囲気のワンピース。控えめながらも華やかなメイクと、ゆるやかに巻かれた髪。
そこまで施してもらった後、ロビーでコーヒーを飲みながら待っている臣くんの元へ向かう。すると彼はほんの少し目を見開いた後、ふっと微笑み、こちらに近寄ってきた。
「悪くないじゃん」
「…可愛いって言ってよ。プロにここまでしてもらったんだから」
「はいはい、可愛いよ」
そんな流すような言い方にふてくされていると、彼はクスッと笑い、私に手を差し出した。
「行きましょうか。姫」
「…変な臣くん」
「夢見がち少女に合わせてやってんだよ」
そう軽口を叩きながら、彼は私をエスコートし、車へと戻る。
これから何が待っているのかもわからないまま、目的地へと向かっていく。
車に強引に乗せられてから三十分後。
私はなぜか、街中でも有名な高級サロンにいた。
臣くんは私の背中を軽く押すと、「綺麗な感じで仕上げてやってください。似合いそうなワンピースでも着せて…、基本お任せします」とスタッフに言いつける。
私は状況が飲み込めないままスタッフに連れ去られ、なすがままにメイクやヘアセット、さらには服まで着替えさせられるという、怒濤の展開に放り込まれた。
どういう状況かもわからないけれど、プロの手捌きに逆らうこともできず、ただされるがまま。困惑する私をその場に残したまま、臣くんはどこかへ姿を消してしまった。
一体、どういう状況なんだ、これは…。
鏡の中に映る、自分であって自分ではないような、お膳立てされていく姿を、私はただ呆然と見つめ続けていた。
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一時間ほど経った頃だろうか。
プロの手によって魔法をかけられた私は、鏡の中に立つ自分ではないような姿に呆然としていた。結愛さんに仕上げられた時もそうだったけれど、やっぱりプロの技はすごい。
繊細なレースがあしらわれた、落ち着いた色味でふんわりとした雰囲気のワンピース。控えめながらも華やかなメイクと、ゆるやかに巻かれた髪。
そこまで施してもらった後、ロビーでコーヒーを飲みながら待っている臣くんの元へ向かう。すると彼はほんの少し目を見開いた後、ふっと微笑み、こちらに近寄ってきた。
「悪くないじゃん」
「…可愛いって言ってよ。プロにここまでしてもらったんだから」
「はいはい、可愛いよ」
そんな流すような言い方にふてくされていると、彼はクスッと笑い、私に手を差し出した。
「行きましょうか。姫」
「…変な臣くん」
「夢見がち少女に合わせてやってんだよ」
そう軽口を叩きながら、彼は私をエスコートし、車へと戻る。
これから何が待っているのかもわからないまま、目的地へと向かっていく。