偽王子と、甘い偽恋
それからというもの、渋谷さんのよくわからない行動は毎日続いた。
だんだんと苛立ちが募り、ついに週末の金曜日、「何なんですか!」と私は声を上げた。
「毎日毎日飽きずにぷしゅぷしゅ、ぷしゅぷしゅと!」
「何その擬音。きもっ」
「きもいのは渋谷さんの行動です!」
いい加減、うんざりしてきた。
毎日、理由もわからず渋谷さんの香水を振りかけられることに。
「てか、本田さん鈍いよな。女の子は男を振り回すくらいが可愛いってアドバイスやったろ」
「何の話ですか!?」
「普段余裕そうな王子様の、余裕のなさそうな顔、見たくねぇの?」
耳元で、悪魔のささやきが降ってくる。
そんな、臣くんを煽るような発想は、私にはなかった!
「…で、も、いつ帰ってくるかわかんないし」
「だからわざわざ毎日かけてあげてんじゃん。匂いがうっすらする程度に、男物の香水をさ」
確かに袖口に鼻を近づければ、爽やかなシトラスの香りがした。この香りは、私自身は絶対に選ばない。紛れもなく他人の男性のものだ
でも、こんなことで浮気を疑われたら、嫌われちゃうんじゃ…? なんて不安も過った。だけど、同時に、嫉妬して、独占欲を剥き出しにして怒る臣くんを見てみたい、という誘惑も確かにあった。
「また渋谷さんの悪魔のささやきに負けた~~~~~~」
デスクに額をぶつける私を、隣に座る悪魔は嘲笑っていた。
だんだんと苛立ちが募り、ついに週末の金曜日、「何なんですか!」と私は声を上げた。
「毎日毎日飽きずにぷしゅぷしゅ、ぷしゅぷしゅと!」
「何その擬音。きもっ」
「きもいのは渋谷さんの行動です!」
いい加減、うんざりしてきた。
毎日、理由もわからず渋谷さんの香水を振りかけられることに。
「てか、本田さん鈍いよな。女の子は男を振り回すくらいが可愛いってアドバイスやったろ」
「何の話ですか!?」
「普段余裕そうな王子様の、余裕のなさそうな顔、見たくねぇの?」
耳元で、悪魔のささやきが降ってくる。
そんな、臣くんを煽るような発想は、私にはなかった!
「…で、も、いつ帰ってくるかわかんないし」
「だからわざわざ毎日かけてあげてんじゃん。匂いがうっすらする程度に、男物の香水をさ」
確かに袖口に鼻を近づければ、爽やかなシトラスの香りがした。この香りは、私自身は絶対に選ばない。紛れもなく他人の男性のものだ
でも、こんなことで浮気を疑われたら、嫌われちゃうんじゃ…? なんて不安も過った。だけど、同時に、嫉妬して、独占欲を剥き出しにして怒る臣くんを見てみたい、という誘惑も確かにあった。
「また渋谷さんの悪魔のささやきに負けた~~~~~~」
デスクに額をぶつける私を、隣に座る悪魔は嘲笑っていた。