偽王子と、甘い偽恋
  私以外に彼に好きだと言える女性がいると考えただけで、嫉妬でおかしくなりそうだった。

 絶対に私の方が好きで、私の方が幸せにできるのに。

 そう思っていても、相手は地位もお金もあって、会社の役に立てる品性も知性もある女性。羨ましい。私にもどこか勝てる要素があればいいのに、結局好きという感情だけでしか戦えない。

 ボロボロと涙を流す私を見て、この男は少しだけ目を見開いた後、私を愛おしいとでも言いたげに笑みを浮かべる。最低最悪のド畜生。


「そのくらい余裕無くしてもらわないとフェアじゃないよな。なんなら、まだ足りないくらい、もっと嫉妬してほしい」


 そう言いながら強引に口付けられ、臀部に熱を持った硬い感触が当たる。


(ま、って、避妊してない…!)


 辛うじて残っていた理性が警鐘を鳴らし、必死に抵抗を試みる。
 だけど、臣くんはまったく離してなんてくれない。
 そのまま抵抗もできずに、濡れた場所へと深く押し込んできた。

 有無を言わせないまま、何度も最奥を突き上げられ、離れられないように私の体を強く抱きしめる。


「だめ…っ、ゴム…!」

「責任取るって、どうせ俺の相手はお前しかいないんだから」


 耳元に届く彼の熱い吐息と、余裕をなくした掠れ声が、脳の芯まで響き渡る。
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