偽王子と、甘い偽恋
 私が何も考えられなくなって、頭が真っ白になるまで激しく攻められ、もう何も言えなくなる。

 私も、将来の相手を選んでいいのなら、臣くんがいい。
 だから、このまま流されてもいいか、なんて頭が馬鹿になっていく。

 いいわけない。本当はちゃんと話し合って、順序立てて決めたい。

 どうせなら、将来、結婚してから、なんてそんな話もしたいのに、今の私は臣くんに溺れて、理性も何もかもが機能を停止していた。


「幸せにして、なんて頼んでねぇよ。俺が幸せにしたいって思ってる女と一緒にいなきゃ、何の意味もない」


 その言葉に応える余裕もないまま、必死に壁に手を付き、膝から崩れ落ちそうになるのを耐える。すると、強引に彼の方を向かされ、至近距離で視線がぶつかった。

 珍しく彼も余裕がなく、ひどく熱のこもった瞳で私を真っ直ぐに捉えている。


「俺は、反対されても、こういう汚い手を使ってでも、一緒になる。最低だと言われても、何言われても、絶対離す気ねぇから」

「お、み、くん…っ…」


 名前を呼ぶのが精一杯で、何とか見つめ合うも、すぐにまた抗えない快感の波に飲み込まれていく。

 ダメだってわかっているのに、彼の独占欲をどこかで嬉しいと思ってしまう。そんな自分が、ひどくおかしくて、彼がとにかく愛おしかった。
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