偽王子と、甘い偽恋
「…返事はいつまでお預けなわけ?」
そう言いながら、臣くんはいまだに跪いたまま指輪をこちらに向けている。
まさか、彼がこんなお城の前で膝を突き、プロポーズなんて大掛かりなことをしてくれるなんて夢にも思わなかった。意外とこういうベタな演出には照れる人だから。
私は溢れそうになる涙を必死にこらえ、差し出された指輪を見つめて「…こちらこそ、よろしくお願いします」と答えた。
臣くんの表情がふわりと和らぎ、安堵の色が広がる。彼は丁寧に、その指輪を私の左手薬指にはめてくれた。
その瞬間、夜空でバンッと何かが弾ける轟音が響いた。見上げると、夜空いっぱいに大輪の花火が打ち上がっており、そこには«Congratulations‼»の文字と、このテーマパークでお馴染みのマスコットキャラクターの姿が鮮やかに浮かび上がっている。
「えええええええ!?規模!」
「はあ、一瞬台無しにするかと思って焦った」
空を仰ぎながら、どっと疲れが出たような表情を見せる臣くん。
まさかすぎるサプライズの連続に、私の開いた口が塞がらない。
呆然としていると、今度はどこからか黒子のような衣装を纏ったスタッフが全速力で走ってきて、一抱えもある薔薇の花束を臣くんに手渡すと、そのまま嵐のように去っていった。
本来なら花束の美しさに感動すべき場面なのだろうけれど、あまりにシュールな黒子の動きに、私と臣くんは思わず目を奪われてしまう。
「…何あれ」
「…さあ?俺は薔薇の花束をいいタイミングで持ってきてほしいって言っただけ」
なんだか私達らしい、どこか締まらない空気感に、思わず吹き出してしまう。
きっとスタッフは雰囲気を壊さないよう配慮してくれた結果なのだろうけれど、それがおかしくて。
そう言いながら、臣くんはいまだに跪いたまま指輪をこちらに向けている。
まさか、彼がこんなお城の前で膝を突き、プロポーズなんて大掛かりなことをしてくれるなんて夢にも思わなかった。意外とこういうベタな演出には照れる人だから。
私は溢れそうになる涙を必死にこらえ、差し出された指輪を見つめて「…こちらこそ、よろしくお願いします」と答えた。
臣くんの表情がふわりと和らぎ、安堵の色が広がる。彼は丁寧に、その指輪を私の左手薬指にはめてくれた。
その瞬間、夜空でバンッと何かが弾ける轟音が響いた。見上げると、夜空いっぱいに大輪の花火が打ち上がっており、そこには«Congratulations‼»の文字と、このテーマパークでお馴染みのマスコットキャラクターの姿が鮮やかに浮かび上がっている。
「えええええええ!?規模!」
「はあ、一瞬台無しにするかと思って焦った」
空を仰ぎながら、どっと疲れが出たような表情を見せる臣くん。
まさかすぎるサプライズの連続に、私の開いた口が塞がらない。
呆然としていると、今度はどこからか黒子のような衣装を纏ったスタッフが全速力で走ってきて、一抱えもある薔薇の花束を臣くんに手渡すと、そのまま嵐のように去っていった。
本来なら花束の美しさに感動すべき場面なのだろうけれど、あまりにシュールな黒子の動きに、私と臣くんは思わず目を奪われてしまう。
「…何あれ」
「…さあ?俺は薔薇の花束をいいタイミングで持ってきてほしいって言っただけ」
なんだか私達らしい、どこか締まらない空気感に、思わず吹き出してしまう。
きっとスタッフは雰囲気を壊さないよう配慮してくれた結果なのだろうけれど、それがおかしくて。