偽王子と、甘い偽恋
「…いつまでいる気?」

「決めてない。だから、俺が出ていく準備整うまでは、姫様に付き合ってやってもいいけど?」


 上から目線の発言が悔しい。
 こんな提案、本当は受け入れたくない。

 でも、もし男性と付き合えたらどんな感じになるのか、という好奇心をどうしても抑えきれなかった。

 受け入れてはいけない。
 頭では分かっているけれど…。


(臣くんも困ってるし、私も興味あるし、悪い事ばかりじゃないよね…?)


 そんな都合のいい思考が頭をよぎる。

 臣くんの顔を見ると、彼は軽く首を傾げ、私の返答を静かに待っていた。

 こんな腹黒王子に捕まってはいけない。
 絶対、絶対…だめ。

 だけど結局、私は自分の好奇心に勝てなかった。


「わかった…。出ていくまでね」


 そう答えると、臣くんはふわりと微笑みを向け、「よろしく」と言葉をかけてきた。

 私はこの腹黒王子と、とんでもない契約を結んでしまったのかもしれない。
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