偽王子と、甘い偽恋
渋谷さんのスタイルは「去る者は追わず、来る者は拒まず」だったそうなのだけれど、私が入社した時には、既に渋谷さんの瞳には佐々木さんしか映っていなかった。
勝手に運命の王子様だと盛り上がっていただけに、あっけなく突っぱねられた時は「どこが王子様…?」と冷めてしまうほど、佐々木さんにしか興味がない。
むしろ、自分に気がありそうな女性に対しては、露骨なまでに強い牽制を行っているほどだった。
それでも今までの行いのせいか、佐々木さんにはその真意が全く伝わらない。ほんの少しだけ、不憫にも感じる。だけど、言ってしまえば、それは自業自得。今まで積み重ねてきた不誠実が、今になって祟っているだけのこと。
佐々木さんは私と違い「あの顔になら騙されてもいい」なんて考える愚か者ではなかった。きちんと物事を慎重に捉えられる、賢明な女性のようだった。
そしてこの佐々木さんも、実は私と同じく男性経験のない女性だったのだけれど、その理由は過去の出来事にあった。
たまたま昼食を共にした際、佐々木さんが教えてくれた。昔の自分は身体の成長が周りより早く、よく同年代の男子から揶揄われていたのだという。子供の頃というのは、些細なことで残酷なからかいの的になる。よくある話、と言ってしまえばそれまでのことだけど、人によっては記憶に残る程、嫌になる事や、トラウマになることもある。
極めつけは、生理用ナプキンを落としたところを大々的に囃し立てられたこと。それが決定打となり、彼女は男子が嫌いになったと言っていた。
彼女自身、幼少期の話だし引きずるのも馬鹿らしい、と笑っていたけれど、拭いきれない生理的な嫌悪感が残ってしまったのだと話してくれた。
勝手に運命の王子様だと盛り上がっていただけに、あっけなく突っぱねられた時は「どこが王子様…?」と冷めてしまうほど、佐々木さんにしか興味がない。
むしろ、自分に気がありそうな女性に対しては、露骨なまでに強い牽制を行っているほどだった。
それでも今までの行いのせいか、佐々木さんにはその真意が全く伝わらない。ほんの少しだけ、不憫にも感じる。だけど、言ってしまえば、それは自業自得。今まで積み重ねてきた不誠実が、今になって祟っているだけのこと。
佐々木さんは私と違い「あの顔になら騙されてもいい」なんて考える愚か者ではなかった。きちんと物事を慎重に捉えられる、賢明な女性のようだった。
そしてこの佐々木さんも、実は私と同じく男性経験のない女性だったのだけれど、その理由は過去の出来事にあった。
たまたま昼食を共にした際、佐々木さんが教えてくれた。昔の自分は身体の成長が周りより早く、よく同年代の男子から揶揄われていたのだという。子供の頃というのは、些細なことで残酷なからかいの的になる。よくある話、と言ってしまえばそれまでのことだけど、人によっては記憶に残る程、嫌になる事や、トラウマになることもある。
極めつけは、生理用ナプキンを落としたところを大々的に囃し立てられたこと。それが決定打となり、彼女は男子が嫌いになったと言っていた。
彼女自身、幼少期の話だし引きずるのも馬鹿らしい、と笑っていたけれど、拭いきれない生理的な嫌悪感が残ってしまったのだと話してくれた。