偽王子と、甘い偽恋
「まあ、喋ってても終わらないから。これ、化粧水塗って」
「はい」
結愛さんは手際よく鞄から取り出した化粧水を私に手渡した。
言われた通りに私が保湿を済ませて準備を整えると、そこからは早かった。
下地、ファンデーション、気になるところにはコンシーラー。
流れるような慣れた手つきで、素早く、けれど丁寧に私の顔に化粧を施していく。
聞けば、結愛さんはヘアメイクアップアーティストとして活動しており、現在はフォトスタジオでメイクやヘアセットを担当しているのだという。
時折、結婚式や成人式といった人生の大事な節目でも腕を振るっているらしく、人にメイクを施す所作には微塵の迷いもなかった。
「というか、結愛さんすみません。向こうからわざわざ帰ってきてもらうなんて」
佐々木さんの声に反応した結愛さんがクスっと笑い、話しながらも手は動かし続ける。
「気にしないで。紬にもそろそろ会いたかったし、陽奈も久しぶりにうちの両親に会えて嬉しそうだったから」
紬さんが、佐々木さんの義理の姉。
そして陽奈さんというのが、おそらく結愛さんの娘だと思う。
もともと地元はこちらだそうだが、結愛さんの旦那の実家が遠方にあるため、普段はそちらで生活しているらしい。
それなのに、頼まれてすぐに戻ってきてしまうフットワークの軽さに驚く。
「はい」
結愛さんは手際よく鞄から取り出した化粧水を私に手渡した。
言われた通りに私が保湿を済ませて準備を整えると、そこからは早かった。
下地、ファンデーション、気になるところにはコンシーラー。
流れるような慣れた手つきで、素早く、けれど丁寧に私の顔に化粧を施していく。
聞けば、結愛さんはヘアメイクアップアーティストとして活動しており、現在はフォトスタジオでメイクやヘアセットを担当しているのだという。
時折、結婚式や成人式といった人生の大事な節目でも腕を振るっているらしく、人にメイクを施す所作には微塵の迷いもなかった。
「というか、結愛さんすみません。向こうからわざわざ帰ってきてもらうなんて」
佐々木さんの声に反応した結愛さんがクスっと笑い、話しながらも手は動かし続ける。
「気にしないで。紬にもそろそろ会いたかったし、陽奈も久しぶりにうちの両親に会えて嬉しそうだったから」
紬さんが、佐々木さんの義理の姉。
そして陽奈さんというのが、おそらく結愛さんの娘だと思う。
もともと地元はこちらだそうだが、結愛さんの旦那の実家が遠方にあるため、普段はそちらで生活しているらしい。
それなのに、頼まれてすぐに戻ってきてしまうフットワークの軽さに驚く。