偽王子と、甘い偽恋
◝✩



 体が濡れたままベッドに移り、辺りが濡れようとも構わず、そのまま激しく触れ合う。

 はしたなく、理性を吹き飛ばして、臣くんは私の身体を強く抱きしめ、奥に深く体重をかける。

 私もそんな彼の身体にしがみついて、離れないようにした。
 離れたくなかった。一秒でもこの時間が長く続けばいいと思った。

 いつか終わってしまうものにしがみついて、いつか彼が私から離れていくその時、私は笑顔で彼を見送れるのだろうか。

 必死にしがみついて、顔も見られないようにした。
 どんな情けない顔を自分でしているか、考えたくもなかった。


「りりか、ちょっと締めすぎ…っ…。今日、なんでそんな力入ってんの」

「う、るさい…っ…」


 今日はいつも以上に悲しかった。

 日が経つにつれ、いなくなるまでのカウントダウンがどんどん進んでいると思って。

 初めて彼の本性を知ったあの日のことを何度も思い出して、私だけは勘違いしないようにした。


───彼の特別になれているわけではないと。
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