偽王子と、甘い偽恋
相も変わらず帰ってこない臣くんのことが気にかかり、佐々木さんとのランチを断って例のカフェを訪れていた。
以前よりも、なぜか女性客が減っているような気がする。そうは言っても人気店であることに変わりはないのだが、どこかいつもより閑散としているように感じられた。
カウンターへ向かうと、店員は私の顔を見るなり「あ」と弾んだ声を上げた。
その声に小首をかしげ、その店員を見ていた。
「いらっしゃいませ。千早先輩の事ですよね」
声をかけてきたのは、子犬のような潤んだ瞳が印象的な、可愛らしい男の子だった。
ふんわりとした髪に、人懐っこい笑顔。ぴょこんと跳ねる毛先まで計算されているような、庇護欲をそそる愛嬌がある。
臣くんとはまた違った、美男子。
「え、なんで…?」
「話はよく聞いてました。一緒に住んでたんですよね?」
「そう、ですけど」
「ふふ、こんなところでカミングアウトするのも恥ずかしい話なのですが、お客様が可愛らしいとカフェの男子の間で少し話題になっていたんです」
「へ?」
そんな話、当然聞いたことはなかった。臣くんが、職場での噂話を、私に話すタイプでもないし、知らないのは当然のことかもしれないけれど。
思いもよらない言葉に、照れくささと恥ずかしさが一気に沸き上がり、顔がカッと熱くなるのを感じた。
以前よりも、なぜか女性客が減っているような気がする。そうは言っても人気店であることに変わりはないのだが、どこかいつもより閑散としているように感じられた。
カウンターへ向かうと、店員は私の顔を見るなり「あ」と弾んだ声を上げた。
その声に小首をかしげ、その店員を見ていた。
「いらっしゃいませ。千早先輩の事ですよね」
声をかけてきたのは、子犬のような潤んだ瞳が印象的な、可愛らしい男の子だった。
ふんわりとした髪に、人懐っこい笑顔。ぴょこんと跳ねる毛先まで計算されているような、庇護欲をそそる愛嬌がある。
臣くんとはまた違った、美男子。
「え、なんで…?」
「話はよく聞いてました。一緒に住んでたんですよね?」
「そう、ですけど」
「ふふ、こんなところでカミングアウトするのも恥ずかしい話なのですが、お客様が可愛らしいとカフェの男子の間で少し話題になっていたんです」
「へ?」
そんな話、当然聞いたことはなかった。臣くんが、職場での噂話を、私に話すタイプでもないし、知らないのは当然のことかもしれないけれど。
思いもよらない言葉に、照れくささと恥ずかしさが一気に沸き上がり、顔がカッと熱くなるのを感じた。