初恋が始まるとき。
𓂃꙳⋆⭐︎


 そう煽った私は当然無事では済まなくて、初めてだというのに執拗に愛された。痛くない様に丁寧に愛撫は受けたけれど、無理だと何度言っても止めてはくれなくて、汗を流そうが、涙を流そうが、渋谷さんは執拗に攻めてくるだけ。

 余裕の無さそうな表情が優越感を感じるけれど、そんな余裕は最初ほんの数秒あったかどうかだ。


「な、もっかい名前呼んで」

「い…、や…だし…っ…!」


 声を出さないように両手で口を抑えようとしてもその手は、渋谷さんにとって手を握られ塞がれる。顔を隠す事も、揺れる胸を隠す事もできない。

 暗い部屋の中でも目が慣れてきてきっと全部見られている。恥ずかしがる余裕はとうに飛んでいるけれど、こんなドロドロな姿をこの人に見られたくない。

 はしたない嬌声を部屋に響かせて、その声が自分ではないよう。自分でも聞いたことが無いから、本当に自分かと疑ってしまう。

 体重をかけて奥深くを突かれる度に泣きそうな、意味の成さない掠れた声が出る。初めての行為で最初は痛くて、悲鳴しか出なかったはずなのに、だんだんと快感で震えた声に変わっていくのが自分でもわかる。

 この人と分け合う体温も、1つになって溶け合う感覚も、耳元で聞こえてくるこの人の低い声も、全てが快感に変わっていくのを感じる。
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