初恋が始まるとき。
 胸が膨らむのも早く、身長が伸びるのも早かった私は中途半端にませたクソガキ男子に揶揄われる事も多く、そこで男子が一瞬にして嫌いになった。


「…ねぇ、お父さん」

「ん?」


 うちの父がリビングにあるソファーでゆっくりテレビを見ていた時に話し掛ける。

 うちの家族は割と顔が整っている方だと思う。その分、割と人の目に付きやすかったし、周りより敏感にそれを感じ取ってしまう分、私には少々辛かった。

 うちの兄は対照的で人からどう思われているかなんてそもそもあまり気にしていない。どうでも良いのだと思う、何を言われようが。


「私、中学は受験して私立の女子中に行きたいんだけど」


 そう言い始めたのが小学校6年生の始まってすぐの時。受験したいって言うには準備もしていなかったし、遅すぎる程だ。本来受験したい人は、早ければ小学校2年生、一般的に3年生、4年生から周りは準備を始めるのだと言う。

 お父さんは私の言葉に真顔でこちらを見ていて、お母さんはキッチンから「え!?」と驚いた声を出している。


「何で今?急に受験したくなった?」

「男子が居る学校気持ち悪いから行きたくない」


 そう言い放つ私に父は驚くでもなく、我儘を言うなと叱るでもなく、真剣な表情で私の言葉を聞いていた。
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