初恋が始まるとき。
「なあ、抜けね?」
突然そう耳元で囁かれ慌てて渋谷さんの方を見ると至近距離で目が合う。それから「なっ…!」と声を上げようとすると、渋谷さんはしーっと人差し指を軽く自身の唇に当ててジェスチャーをする。
「抜けたいんだけど?」
「…1人で抜けたらいいでしょ」
「1人じゃつまんねぇじゃん」
そういい放ち私の手をつないだまま立ち上がり周りに何も言わずバルを出た。
関わりたくないって常に思っているのにこの人はいつも私を放っておいてくれない。私がどれほど拒絶しても何考えているかわからない腹の立つ笑顔で寄ってきて、そのまま簡単には解放してくれないから。
触れることも距離を詰めることもいとも簡単にしてくるこの人の行動が、だんだんと嫌ではなくなっていって、今では慣れのせいか拒絶すらしなくなった。
嫌いだと思っているのに、目で追って、触れられることが嫌じゃなくて、この矛盾がなぜ起きているのかもわからなくて気持ち悪い。早く解決したいのに、全然わからない。
私よりも2歩程先を歩いて、先程まで居心地が悪かった空間から簡単に連れ出していく。自分よりもずいぶん広い背中を見ながらただただついていった。
突然そう耳元で囁かれ慌てて渋谷さんの方を見ると至近距離で目が合う。それから「なっ…!」と声を上げようとすると、渋谷さんはしーっと人差し指を軽く自身の唇に当ててジェスチャーをする。
「抜けたいんだけど?」
「…1人で抜けたらいいでしょ」
「1人じゃつまんねぇじゃん」
そういい放ち私の手をつないだまま立ち上がり周りに何も言わずバルを出た。
関わりたくないって常に思っているのにこの人はいつも私を放っておいてくれない。私がどれほど拒絶しても何考えているかわからない腹の立つ笑顔で寄ってきて、そのまま簡単には解放してくれないから。
触れることも距離を詰めることもいとも簡単にしてくるこの人の行動が、だんだんと嫌ではなくなっていって、今では慣れのせいか拒絶すらしなくなった。
嫌いだと思っているのに、目で追って、触れられることが嫌じゃなくて、この矛盾がなぜ起きているのかもわからなくて気持ち悪い。早く解決したいのに、全然わからない。
私よりも2歩程先を歩いて、先程まで居心地が悪かった空間から簡単に連れ出していく。自分よりもずいぶん広い背中を見ながらただただついていった。