初恋が始まるとき。
 2投目、投げるも全部倒しきることもできず7本と私にしてはそこそこの成績。

 こんな下手とも上手とも言えない女とこんなところにに来て楽しいのだろうか。

 そう疑問に思いつつテーブルに置いているコーラを飲みながら渋谷さんを見ると、目が合って首を傾げてくる。


「…楽しんでます?」

「楽しんでるよ。女の子と来ることないから新鮮」

「へー、意外。何でです?」

「そもそもこんな外で遊ぶようなデートなんてないかもな。飯食ってそのままホテルか家直行」

「聞くんじゃなかった。きめぇ」

「お口が悪い。佐々木の方がまだ丁寧に話すだろ」


 私の中にも気付いていないだけで性欲ってものが存在しているのかはわからないが、食欲を満たしてそのまま性欲を満たすなんて汚らわしすぎる…と、そんな考えになる。

 自分にはあまり感じない物だから理解できないだけなのか、そもそも好きでもない相手とそんな風に過ごすのが気持ち悪いと感じてしまっているせいなのか、そもそもそういう行為が嫌だから、なのか。


「優菜ちゃんは?何して過ごすわけ?」

「んー、カフェ巡り、買い物、たまに友達の車でドライブ…、とか?後、カラオケもよくいきます」

「へー、俺とも全部行く?」

「…何で?」

「くっそ、流れでいいですよって返事来ると思ってたのに」

「頭ボケてないんで」


 そう話した後にボウリングを続け、3ゲームだけして外に出た。意外と遊んでいる時間が悪くはなくて無意識の間に楽しんでいたと思う。
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