初恋が始まるとき。
 この男に寄っていく女性の思考はよくわからないが、そこに関しては別にもう考えない事とする。


「てか佐々木も知らないんだね。優菜ちゃんが男嫌いになった理由」

「別に話すものじゃないので」

「ふーん。俺には教えてくれても良くない?」

「何でですか」

「他人の方が話しやすくない?」

「聞いてほしくないので結構です」


 そう笑顔を向けて先にエレベーターを降りると、経理部のオフィスへ向かっていく。

 渋谷さんとまったく親しい仲になりたいだなんて思っていないから放っておいてほしいのに、何故か放っておいてはくれない。

 私なんかに目を付けて何がしたいのか理解は出来ないが、私はこのままいつも通り流すだけだ。
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