地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
すると、突然、外が騒がしくなった。

窓に当たる音に気づいて顔を上げると、激しい雨が降り出していた。

「大変……」

思わず呟いて、ドアを開ける。

外はもう、足元が見えなくなるほどの雨。

「雨か……待っていれば、止むでしょうか」

そう言いながら振り返ると、御門さんがこちらを見ていた。

その視線が、いつもより少しだけ深く感じられる。

「私、傘を探してみますね」

確か、事務所に置き傘があったはずだ。

そう思って、裏の扉を開ける。

暗い事務所に入り、棚を探そうとした、そのとき。

バタン、と扉が閉まる音がした。

「え……?」

振り返る。鍵のかかる、小さな音。

そして、すぐ後ろに、気配。

驚いて振り向こうとした瞬間、距離を詰められる。

逃げ場がない。

壁と、彼の間に閉じ込められるような形になる。
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