地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
そのまま事務所のソファへと導かれ、そっと腰を下ろした。

そして、気づけば、私はそのまま横へと沈みこんでいた。

御門さんの吐息が、耳元にかかる。

「……あなたといると、癒されるんです」

「私に……?」

「ええ。今も、そうです」

低く静かな声が、胸の奥に染み込んでくる。

そっと抱き寄せられると、そのまま距離が消えていく。

触れ方はあくまで優しくて、拒む理由を見つける前に、心の方がほどけてしまう。

気づけば、彼の腕の中で身を委ねていた。

ゆっくりと重なり合う体温が、じんわりと広がっていく。

まるで水に浮かぶみたいに、力が抜けていく感覚。

「小鳥遊さん……」

名前を呼ばれて、胸が震える。

「……名前……」

「覚えています。最初から、ずっと」

その一言が、どうしようもなく嬉しくて。

こんな私を見つけてくれたことが、信じられなくて。

気づけば、胸の奥がいっぱいになっていた。
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