地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
けれど、やっぱり反応がない。

ランプが不規則に点滅している。

嫌な予感が、背中をなぞる。

「すみません。少しお待ちいただけますか」

振り返って頭を下げると、彼は落ち着いた様子で頷いた。

「ええ。構いません」

その声に、焦っていた気持ちが少しだけ落ち着く。

でも。こんなタイミングで故障なんて。

閉店間際で、他にお客さんもいないのに。

私は急いでポットに水を入れて、コンロにかけた。

青い炎が、静かに揺れる。

「……ドリップに切り替えるんですね」

すぐそばから、声がした。

顔を上げると、彼がカウンター越しにこちらを見ている。

「はい。少しお時間いただいてしまいますが……」

「問題ありません」

短く、けれどはっきりとした言葉。

その言い方に、余計な気を遣わせない配慮がにじむ。
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