地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
「どうぞ」

向かいに座る悠生さんが、静かに箸を取る。

「いただきます」

一口食べて、少しだけ目を細めた。

「……美味しいですね」

その言葉に、胸がじんわりと温かくなる。

「よかった……」

ほっと息をつく。

そのまま、しばらく静かな時間が流れる。

けれど、その沈黙は不思議と心地よくて。

言葉がなくても、満たされていく感覚があった。

「……悠生さん」

ふと、口を開く。

自分でも、少し驚くくらい自然に。

「何でしょう」

穏やかな返事。

その声に背中を押されるように、続ける。

「こんなこと言ったら、驚くと思いますが……」

一度だけ息を整えて。

「私と、付き合ってください」

言い終えた瞬間、胸が大きく揺れる。

逃げ場がない。
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