無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中
でも次の課題がもう目の前。
さぁ授業中は、どうしよう。
悩んだ結果、自分の膝の上に置くことにした。
膝掛けをかけてしまえば人目にはつかないし、肌身離さないでいられるから。
不安だったのにリオ君はなぜかお昼まで寝返りひとつ打たなかった。
昨日までの普通のぬいぐるみに戻ったみたいで、今度はそっちも心配になってきた。
みんなが食堂へ向かったら、どこかでお話しする機会を作らないと。
ランチタイムのチャイムが鳴ってみんなが席を立ち始めると、文化祭の実行委員長、小佐田さんの元気な声がクラスに響き渡った。
「文化祭実行委員より連絡でーす。展示物を机の上に準備してくださーい。大型展示の方は概要紙ね。つまりは面倒なこと早く済ませちゃって早くクラスの出し物考えよ! ってことです。舞台使いたいなら早い者勝ちだよー」
ショートカットでいつも元気いっぱい。利発な小佐田さんの声はよく通る。
私は大型展示。
概要紙を出そうと鞄のなかを探っていると小佐田さんに声をかけられた。
「紺野さんは今年は小物部門なんだね」
「えっと、どうしてそう思うの?」
「だってほらこれでしょ」
膝掛けの下からリオ君の足が飛び出していて、履いているのが学園指定のミニチュア正規靴だったから創作物と勘違いされてしまったみたい!
「ううん、これは違うの。私のは作業室に……」
「去年のもよかったけど、こういうのも新鮮だね」
彼女はリオ君を掴むと360度の角度からぐるりと品定めしてみせた。
「うちの制服ってこんなふうに気崩すと雰囲気変わるんですね。ぬいぐるみが着てると可愛い」
周りの女子がリオ君を取り囲み、それぞれ興味深そうに眺めている。
リオ君は勝手にシャツとネクタイを緩めたようで、まるで違う高校のおしゃれ男子みたいな格好になっていた。
「皆さん褒めてくださってありがとう。でも今年は染色を出そうかなって」
静かに微笑んでそっと取り返そうとしたのに。
「それならおととい搬入が終わってるはずよ」
思わぬ言葉に手が止まった。
「追加搬入はルール違反だからもう受け付けてないはずだけど」
そうだった。
伝統と由緒を重んじるこの学校は何もかもがお固い。行事の提出期限には特に目くじらを立てられる。
「だから念のためこれを用意してたんでしょう? 確認書はもらっておくから先に食堂に行っていいよ」
「違うの。ちょ、ちょっと待って!」
小佐田さんは最後にリオ君を回収すると颯爽と教室を出ていってしまった。
どうしよう、私の大事なリオ君が連れ去られてしまった!
さぁ授業中は、どうしよう。
悩んだ結果、自分の膝の上に置くことにした。
膝掛けをかけてしまえば人目にはつかないし、肌身離さないでいられるから。
不安だったのにリオ君はなぜかお昼まで寝返りひとつ打たなかった。
昨日までの普通のぬいぐるみに戻ったみたいで、今度はそっちも心配になってきた。
みんなが食堂へ向かったら、どこかでお話しする機会を作らないと。
ランチタイムのチャイムが鳴ってみんなが席を立ち始めると、文化祭の実行委員長、小佐田さんの元気な声がクラスに響き渡った。
「文化祭実行委員より連絡でーす。展示物を机の上に準備してくださーい。大型展示の方は概要紙ね。つまりは面倒なこと早く済ませちゃって早くクラスの出し物考えよ! ってことです。舞台使いたいなら早い者勝ちだよー」
ショートカットでいつも元気いっぱい。利発な小佐田さんの声はよく通る。
私は大型展示。
概要紙を出そうと鞄のなかを探っていると小佐田さんに声をかけられた。
「紺野さんは今年は小物部門なんだね」
「えっと、どうしてそう思うの?」
「だってほらこれでしょ」
膝掛けの下からリオ君の足が飛び出していて、履いているのが学園指定のミニチュア正規靴だったから創作物と勘違いされてしまったみたい!
「ううん、これは違うの。私のは作業室に……」
「去年のもよかったけど、こういうのも新鮮だね」
彼女はリオ君を掴むと360度の角度からぐるりと品定めしてみせた。
「うちの制服ってこんなふうに気崩すと雰囲気変わるんですね。ぬいぐるみが着てると可愛い」
周りの女子がリオ君を取り囲み、それぞれ興味深そうに眺めている。
リオ君は勝手にシャツとネクタイを緩めたようで、まるで違う高校のおしゃれ男子みたいな格好になっていた。
「皆さん褒めてくださってありがとう。でも今年は染色を出そうかなって」
静かに微笑んでそっと取り返そうとしたのに。
「それならおととい搬入が終わってるはずよ」
思わぬ言葉に手が止まった。
「追加搬入はルール違反だからもう受け付けてないはずだけど」
そうだった。
伝統と由緒を重んじるこの学校は何もかもがお固い。行事の提出期限には特に目くじらを立てられる。
「だから念のためこれを用意してたんでしょう? 確認書はもらっておくから先に食堂に行っていいよ」
「違うの。ちょ、ちょっと待って!」
小佐田さんは最後にリオ君を回収すると颯爽と教室を出ていってしまった。
どうしよう、私の大事なリオ君が連れ去られてしまった!