無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中
「あの、尾崎さん。わ、私先生に呼ばれているのでここで失礼いたします」


少し低めのトーンでこほんと咳をする。
長居は禁物。リオ君の不自然な声色を思い出させまいとそう言ってお辞儀をした。


「引きとめちゃってごめんなさい。でも紺野さんが私の名前を知っててくれてほんとに嬉しかったんです。また声をかけてもいいですか?」


「こちらこそ声をかけて……いいんでしょうか」


「もちろん。品評会楽しみにしてます」


予想もしない展開になってしまった。
こんなにしっかり誰かとおしゃべりができたことが始めてでドキドキした。


「ほらもう友達できた」


調子に乗ってまたしゃべりだしたリオ君の口を問答無用でぐいっと押さえて教室へと走った。


私に友達を作ってあげたくてあんなことしたの? 大胆すぎない?
でもなんだろうこの気持ち。
楽しい? 嬉しい? 
どうしよう……今すごく顔が赤い。


ピンチなのかハプニングなのか、普段にはないことが交互に訪れてもう頭がパンクしそう。


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