無自覚系お姫様、溺れるほどに愛され中
頭のてっぺんから爪先までリオ君をぐるりとチェックした。
肩のほころび、タグのスレ具合。


すべてが記憶と一致した。これは間違いなく私のリオ君だ。よかった……。


「もう泣いたりしないからそのままのリオ君でいていいんだからね!」


自分の情緒不安定が原因でこんなことになったのなら悪いことしたなって、今度は優しく抱きしめた。


「……とりあえず1個いい? しゃべってる俺のことが怖くないの?」


だいぶ間があって、そんな返事が返ってきた。


リオ君の声をよくよく聞いてみると、想像していた幼い声とは違って同年代くらいの男の子の声だった。


ゆっくりと、確かめるような話し方。
怯えさせないよう、慎重に選んでくれた言葉だと思った。


「怖いわけないよ。でも驚いたな、想像してたよりうんと大人っぽいんだね。私と一緒に育ったんだもんね」


「じゃあ子供扱いすんな。ひらひらふわふわの部屋着もなんていうか、できれば俺の前では……」


「うそ、ほっぺた赤くなるんだね? かわいい!」


会話ができるなんて、超常現象とかどっきりとか、そういうのを疑ったほうがいい?
でも今はそんなことどうでもいい。混乱や恐怖より、ワクワクが勝ってる。


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