桜の奇跡
秋にはあっけなく振られてしまう。

その日廉のキスを避けてしまったからだろうか。
初めてだったのに。

ちょうど廉の顔が近づいて来た時に、人が通りかかって、恥ずかしくなって避けてしまった。

けど、それは廉には伝わらず。
彼のことを避けたと思われてしまったようだった。

「なんで…ってか、別れよう。
なんか住んでる世界違う気がするし。
もう飽きた」
強い口調で言い放つ。

「……」
私はすぐに言葉が出て来なくて。

別れる……その言葉がぐるぐる回る。

「やだ……」
そう、つぶやくのがやっとだった。

考えられなかったから。
廉が彼氏じゃなくなるなんて。

廉の憂いを帯びた瞳を見つめた。

「もう無理」
その言葉を残し去っていった。

すぐに廉はバイトを辞めてしまった。
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