桜の奇跡
「夢じゃないってこと?」
私は廉を見つめて言った。

廉は困ったように顔をしかめた。

「ほっぺさ、つねってみようよ」
私が言うと、廉は微笑んだ。

「よし、俺も」
そう言って、廉も頬に手を伸ばす。

「「イタッ」」
二人の声がハモった。

感覚がある。
私も廉も笑顔になった。

そうそう、こんな風に笑ってた。
大好きなんだ。

「やっと会えた」
私は言った。
嬉しくて涙ぐんでいた。

廉もゆっくりと頷いた。

廉の瞳いっぱいに涙が溜まり、今にもこぼれ落ちそうだ。

泣かないように、上を見上げてるのがわかった。
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