極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

11・歌う少年

 日中の大聖堂の三階――高位聖女の居住区画は、まるで水を打ったような静けさだ。時折、ハウスキーパーの方とすれ違って挨拶するけど、響く声はそれくらい。

(班長、相変わらず忙しそうだったな……)

 そこに私みたいな下っ端が何をしに来ていたのかだけど……今日は第五班のミシェル班長へ、活動報告を上げる日だったんだよね。

 聖女会では、週に一度自分がこなした訓練や仕事の成果を書面にまとめ、所属班の班長へと提出する規則がある。

 出す側も受ける側も大変だけど、この積み重ねがデータになり、後の聖女の育成に生かされたりするから、おそろかにはしてはいけないんだとか。

 ちなみに同室の聖女ポピアは、先週活動実績の提出を忘れて反省文をくらい、二重の地獄を味わっていた。ミシェル班長は規則を守らない聖女にはすこぶる厳しい。

「ふう……。さて、後は特に用事もないし、今日はどうしようかな」

 今回の休み、ポピアは実家の用事で外出していてひとりだし。街に出て買い物しようにも、特に今必要なものも……なさそう。
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