極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 ひとりの、窓際に頬杖を突いた美しい少年。歌声はその口から放たれているようだ。年のころは十と少し……くらいか。やや切なげな、成長過程の涼やかな声に思わず耳を傾けてしまう。

“おお民よ 唱えよ我が聖なる祖国を

何度膝をつこうと 旗を仰ぎ前を見よ

守れ大地を 輝く未来を次に譲らん

真白き光 胸に絶やさず      ” 
 
 聖王国の国歌を……金髪碧眼の彼は浮かない顔でひっそりと歌い続ける。本格的に声楽でもやっているのかという見事な歌声といい、高貴なオーラや服装といい、一般家庭の出じゃないことは明白。

(う~ん……ここに住む誰かの兄弟、かな? でも大聖堂には普段、家族の人でも入れないはず)

 聖女は人数が少なく貴重なため、結婚後もお役目を果たすことは可能だ。
 だが、本部に住むことはできずに外部からの通いとなる。なので誰かのお子さんということはない。
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