極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 発した声に、ローザとミレルは罵声を止め、リナは慈悲を乞うような顔でこちらを見上げた。席を立つと震える彼女を笑顔で覗き込み、はっきりと命じる。

「リナ、お前に挽回の機会をあげる。シーリ・アンテノア――身の程知らずのあの娘を陥れ、聖女会からの評価を大きく落とさせなさい」
「そ、そんなこと、できませ――」

 乾いた音が手のひらで弾け、リナの身体がどっと横倒しになる。
 ローザとミレルが引き起こし無理やり顔を向けさせた彼女に、私は気持ちよく痺れた腕を振ると、そのまま言って聞かせた。

「やれ。今度丁度いい舞台があるわ。複数班合同での民間支援業務……そこでお前はあいつをうまく誘き寄せるの。そうしたら後は私たちでやってあげる。それとも、あれの代わりにお前が聖女会から追い出される方が好みかしら?」
「そ、それだけは……!」

 途端に涙目になり、彼女は足元に縋りつく。
 知っているのよ、この娘が貧しい父親の店を立て直すなんてみじめな目的のために聖女になったことくらい。ふふ……今さらここを追い出されて、おめおめと実家に帰れるわけがないわよねぇ。
< 156 / 840 >

この作品をシェア

pagetop