極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 脇に(こしら)えられた石の台座。その上で、何かがゆっくりと旋回している。

 こぼれる金色の光に目を細めながら近づき、じっくりと眺めて、ようやく私はその正体を認識する。

 ――本だ……一冊の。

 近づくまで判別できなかった理由は、その歪な形状にある。
 背表紙の役目を果たす螺旋を描いたスロープ状の板紙の上に……延々と、上から下まで夥しい数の紙片が綴じられているのだ。

 まるで、気の触れた芸術家が作りあげた先鋭的なオブジェのごとく。

 それは奇妙な存在感をもって、私の好奇心を吸い寄せていた。

(いったいルイーゼ様は、ここで何をさせようと……?)
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