極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「この扉は王家の血筋の者か、それに認められた金盞花の乙女たちしか開けることはできない。くれぐれも、内部のことは秘密にしておいてくれ」
「は、はぁ……」

 さらっと国家機密的なことを説明されて背筋を冷やしつつ、私はアルベール様の後ろに付いて部屋に入った。

 “封書室”なんて呼ばれる辺り……確かに本だらけだ。四方の壁は窓を除いてくまなく本棚と古書に囲まれている。でも定期的に換気されているのか、埃っぽい感じはしないな……。

 不思議だったのは、それらの背表紙にはひとつとして題がなかったこと。
 みだりに手に取って確かめることもできずそのまま踏み入ると……ある時、ルイーゼ様の肩越しに見えた光景に、私は息を呑んだ。

「これ――――なに……?」

 まず目に入ったのは豪華な寝台。
 そしてそこに白い顔で横たわる、痩せ細った金髪の美女。

 しかし、それら以上にあるものが私を動じさせた。
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