極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「もしや……呪いのようなものを掛けられ、その治療のためにとか?」

 悪い魔女に呪いを掛けられた女性が眠りにつく――元の世界でもさんざん目にしたそんな陳腐(ちんぷ)なストーリーを想像してしまう私だったが、アルベール様は曖昧に微笑んだだけ。

 それを否定したのは、殿下の苛烈な叫びだった。

「違う!」

 彼は悔しそうに震わせた背中を振り向かせ、激情の籠る瞳でこちらを見つめた。

「なにも知らずにいい気なものだな、下々の聖女は。ルイーゼ……少しばかり教育が足りていないんじゃないか。こいつら他の聖女がのほほんと平和を貪る裏で、母上は――!」

 これはちょっと聞き捨てならない物言いだ。
 私たちだってそれぞれ、王国民のために必死に頑張っている――。

 そう口答えできたのにしなかったのは、殿下の瞳の奥に強い悲しみを感じたからだ。ルイーゼ様も瞼を伏せがちにしたまま、何も言わない。
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