極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 この質問の答えが聞きたいがため。
 たったそれだけのために、最近彼は王族特権で、割と頻繁に大聖殿に出没しているのであった。

「こないだも言いましたよね。その方法を見つけ出すには、まだまだ前提となる知識が足りてないって……」

 何度も顔を合わすうちに、私もすっかり遠慮がなくなっている。
 こっちだって聖女としてまだまだ未熟で、早期の昇進やらお仕事やらで余裕がないってのに、そう毎回(へりくだ)ってもいられない。罰されたらされたで、その時考えよう。そのくらいの図太い精神でいないとこっちの身が持たないよ……。


 ――あの封書室での邂逅を経て。

 私は改めて、ルイーゼ様から王妃ティリシャ様の現状と、聖女達が直面する問題について教わることになった。それによると――。

『先代の金盞花の聖女ティリシャ様は、国王様に嫁ぎ王妃となる以前から……。もうかれこれ十年以上も自らに宿る“封印”の力で、この【世界書】の劣化を防いできたのです』

 封印とは、指定した物体をこの世の理から切り離す――つまりあらゆる変化を受け付けなくさせるものすごい力。
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