極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 堅い表情で続いて降りてきたのは、明らかに私たちとは格の違う、深い知性に品格を宿した聖女。

 それも只者ではなく――金盞花の乙女がひとり。
 爽やかな緑の短髪を肩口で切り揃え、胸に特別な金の紋章を輝かせたこの方は、“知”を司る、マール・ソレシオ様。彼女がルイーゼ様の代わりに、今回私たちをここまで連れて来てくれたのだ。

 筆頭聖女の許可があるとはいえ、私たちはまだ聖女会に入って半年しか経たぬ未熟者。どうしても誰かお目付け役が必要になる。

 それは本来なら所属班のリーダー、ミシェル班長がこなすところなのかもしれないが、彼女も多忙なため、今回マール様がその役目を買って出てくれたのであった。

「じゃ、あたしは治療チームのほうに挨拶してくるね!」
「ん……気を付けて」

 ちなみにポピアは別行動だ。明るい彼女が消えると、どうしても私とマール様の間には、なんとも言えない張り詰めた空気が立ち込めてきてしまう。
 ……私、ちょっとこの人と合わないかも。
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