極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 そこからは、アルベール様が全体の音頭取り、マール様が聖女側のまとめ役として会議が進行してゆく。

「今回、聖女会法研の想定では、計二十三体の魔物が出現するということだ。その中の一体は中型で、かなりの危険が予想される」

 会議用の黒板に貼られた大地図には、周辺地形や魔物の予想出現範囲が描かれている。

 実は、事前にこうして魔物の発生位置や規模を特定し、体制を整えられるのはマール様の奇跡のおかげだけじゃない。法研のペーレ室長を始めとしていた上層部の人員には、王妃の封印と世界書にまつわる問題が開示され、予め協力が要請されているのだ。

 長年の研究では、世界書について以下のことがわかっている。

 よく見ると本のページに浮いた、夥しい数の黒ずみ。
 今まで経年劣化のせいだと考えられてきたそれらは、法研の調査によればどうやら虚無――魔物の発生規模や時期とリンクしているらしい。そして一度魔物が出現した場所からは、時を置いてまた魔物が現れることもあるのだとか。

 その事実が発見された当初から、黒ずみの発生の防止が世界書の劣化を遅らせることに繋がる、と色々な方法が試みられたそうだが……未だ有力な手立ては見つかっていない。黒ずみは王妃の封印をもってしても止められず、今も広がっている。
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