極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 それは、切実な思いを私に訴えかけ。水を掛けたように、私の意識を冷やしていった。

『――おかあさんを、いっしょにさがすんでしょう』

 真っ赤だった視界が、洗い流されるように。上端からクリアに戻って……ゆく? 

 いや……わずかに薄暗い、あの一面の雪景色を覗いていた時のように。
 気付けば私は、突き刺されたレイピアを、素手で掴んでいた。

「お前……どうして死なない? ――なっ⁉」

 訝しがる声が、驚愕に変わったのは……その手が剣先を握りつぶしたから。痛みも、お腹に刺さった固い棒の感触も、まるで雪のように儚く溶け、消えていく――。

「はぁ……⁉ まあいい! そんなに丸焼きがお好みなら、骨も残さず消えろっ!」

 アンジェリカが今度は奇跡で大量の灰を生み出し、覆い被せるようにして私にぶつけて来た。必殺の一撃。下手をすれば、山火事でここら一帯の生態系ごと一変しそうな熱量だったはず……だが。
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