極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「触るな、それは私のだっ!」
「いいえ。私の大事なものよ」

 この髪留めを普段から私が付けていたのは、大勢の聖女が知っているはず。リナも、今なら必要であれば本当のことを話してくれると思う。

 酷く抵抗していた彼女を見ながら、どこからが本来の彼女の意思だったのかと考えてみたが、答えは出ない。虚しくなった私は罵詈雑言を放つアンジェリカを憐みの目で見ると、髪留めを元の位置に戻した。

 そして改めて、助けに来てくれたアルベール様に感謝の視線を送る。

「ありがとうございました」
「いや……。ここへ来たのは僕の勘だが、実はそれまでに兵士たちが侯爵令嬢と怪しげな人物との会話を見ていたんだ。済まない、もう少し早く辿り着いていたら……」
「そんな。十分助かりました」

 そういえば、彼は探し物を見つけるのが得意なんだっけ――アルベール様の謝罪に慌てて首を振った私。
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