極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「おや、ご存じないのかね。彼女らは見習いながらも王妃を救うのに一役買った誉れある聖女たちだよ。しかも、白い髪の方は、半年も経たぬうちにすでに黄雛菊の称号を与えられた今一番の出世株。顔を売っておくなら今だろうな」
「ふうん……殿下の覚えもめでたいようで、羨ましいことねぇ」
(なんか、土地や株みたいな扱いでやだな……)

 真っ直ぐ伸びる赤絨毯を進みながら聞こえるそんな声に、私は小さく身を縮める。

 それでも、奥ではにこやかに王妃様と、国王様と思しき方がお待ちになっている。なるべく恥ずかしくないよう胸を張り、殿下の隣を歩いていった。

 やがて、後数歩でこの聖王国が誇る王族たちの下に辿り着こうという時。

(あ~っ……そういえば、ご挨拶の内容とか、何も考えてなかった‼)

 色々と目まぐるしい日々を送っていたせいで、頭がパンクしてそこまで気が回っていなかった。

 ど、どうしよう、こんなセレブリティ溢れる人たちへの挨拶なんて即興じゃ思いつかない……そんな後悔を抱く間に、彼女たちは目の前に迫っていて。
< 394 / 840 >

この作品をシェア

pagetop