極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 大人の対応を見せたアルベール様に先を譲られ、私はデュリス殿下のまだ細い腕に手を預ける。

 さすが次期国王と言うか……先日の件で精神的に成長したのだろう、殿下は幼いながらにしっかりと周囲の視線を受け止めている。まだ私より頭半分小さいけど、すぐに背丈も、手の大きさも追い越されてしまうんだろうな。

「で、どうだ? 最近は魔物もいなくなったし、聖女としての仕事も減ったであろう。こほん……お、お前さえよければ、空いた時間で城の方を案内してやらんでもないが」
「いえいえ。それがですね……これまで魔物の対処に人手が取られていた分、他のお仕事が滞っちゃって。しばらくは暇にはなりそうにないんですよ」
「そ、そうか……なら仕方ない。またオレの方から大聖殿に出向いてやる」

 脅威が去っても、民間にはまだまだ聖女の手を必要とする人達がいる。

 長い休みの後は、また働き詰めの日々に戻りそうだと伝えると、殿下はやや顔を曇らせた。さすがに王妃様の命が助かった今、大聖殿で見かけることはもうないだろうけど、社交辞令でもそんな風に言ってもらえると嬉しい。

「ずいぶんと若い聖女たちですが、どなたでしたかしら……?」
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