極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 なんだか街中が凄いことになってる。これまでなかった屋台などが立ち並び、聖女クッキーやビスケット、木彫りの聖女人形、謎のミニ肖像画(白髪であるところをするとおそらくモデルは私なのだろう)などなど……ありとあらゆるものが私に紐づける形で売り物になっている。普段私がシスターのお遣いや街人のお手伝いで訪れることがあった建物も、なにかと商売のダシにされていたりして。

(聖女が触った籠だとか鎌だとか鍋だとか……あんなもの大事そうに額に入れて飾らないでよ! ああ、群がる人々の神経がわかんない……!)
「こりゃ、見つかると挨拶くらいじゃ済まなそうだ。しっかりフードを被っていてくれよ」

 アルベール様の指示通り、私は布地ですっぽりと頭を覆い、絶対に誰にもバレないようにこそこそ道の端を歩く。幸い、視線の方は美人のアルベール様が惹きつけてくれる。地味な私の印象なんてこそこそしてればそんなに残るまい……。

 だけど、大体こういう時に人ってうまくいかないものだよね。

 通りを向こうからやって来た顔見知りの子たちが、すれ違う際に私と気付いてしまった。

「あれ……シーねえじゃない?」
「シーねえちゃん、かえってきたの⁉」
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