極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「ふう……ここにいるとちょっとだけ、母の実家のことを思い出すよ。あの頃は、僕は将来何になるんだろうと思ってた」

 アルベール様のご実家であるセイモア家は、代々武門の子爵貴族だという話だ。ティリシャ様の兄君に当たる方が当主を務めているが、そこまで家格は高くなく……王宮に移ってからもあちらの暮らしに馴染むまで大変だったみたい。

「チクチク行儀作法を指摘されてさ。顔がこんなだから、わざとお嬢さんなんて呼ばれたり。そういう悔しさもあって、見返してやるぞって鍛えて騎士団長の座を掴めたんだ」
「私も孤児院でいた頃は大変でした……」

 今思い出しても、厳しい生活だった。冬は寒さで死にそうになるし、夏は暑さで食べ物が上手く手に入らなかったりして、ひもじくて……リオン達が居てくれなかったらきっと逃げ出していた。

「もし……こんな自分じゃなかったら、なんて想像したりしませんでした?」

 そんな風に私が尋ねると、アルベール様は大きく頷く。

「もちろん。僕はこう見えて、楽器を弾くのが好きでさ。吟遊詩人になって、ハープやリュートを担いで旅をしたいって思ってた。シーリは?」
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