極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 ここまで辿りついた男の執念を感じたが、手の内の赤ん坊も同じように冷たく、苦虫を噛み潰したように顔になったシスター。

 てっきりもう亡くなったものだと思い……彼女はせめて後で親父と一緒に埋めてやろうと、赤ん坊をお包みごと暖炉の傍のテーブルに置いた。そして、雪が止んだ後埋葬するために男の遺体を検めようとした時――。

「……ほぎゃぁ」
「――⁉」

 ほんの微かな鳴き声が聞こえ、振り向いた。
 急いでテーブルに駆け寄り、真上から赤ん坊の姿を覗きこむ。すると――微かに手足が動き、赤ん坊が伸ばしたシスターの指を掴んだではないか。

「…………ヒッ、しぶといね。親も親ならってわけかい。いいだろう、あんたはあたしが育ててやる」

 さすがにシスターも、死にかけた赤ん坊を放置できるほど悪党でもなかった。鍋で湯を沸かし重湯をつくると、身体を温めるため抱き抱えた赤ん坊に、少しずつ与えてゆく。すると赤ん坊はしばらくして寝息を立て始めた。
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