極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「あの……ありがとう! 助けてくれて」
「感謝なら、あんたの頑固親父にでも言うんだね。あたしはただ、あんたを利用しただけさ」

 そううそぶいて去ってゆく老女の姿に、私はアルベール様となんともいえない表情を浮かべ合った。人の善悪の割り切れなさを学んだような気がする。

 私の――シーリの家族に関して大きな手掛かりは得られなかった。
 けれど、お父さんが彼女のことをなによりも大切にしていたことは知れた。生きて再会させてあげられず残念ではあるけど……それでも話を聞けてよかった。

 隣で佇むアルベール様に尋ねる。

「もう少しだけ、ここにいてもいいですか?」
「心ゆくまで。いくらでも待つよ」

 それからしばらく、私はお墓の前に跪いて目を閉じた。
< 435 / 840 >

この作品をシェア

pagetop