極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「多分ね。お前の親父の持ちもんは衣服とそいつ以外処分しちまったが、アテになりそうなものはなかったよ」
「そう……なんだ」

 痩せ細った指が私の髪留めを指差す。父のこと、私の出自のこと。まだしばらくは、自分の中で咀嚼(そしゃく)するのに時間がかかりそうだ。

「あの……どうして?」

 シスターは損得勘定の人間だ。私にこんなことを伝えても得をするとは思えないのに。
 すると彼女は、腰をとんとんと腰を叩いて立ち上がりながら言った。

「さあねぇ。あたしももう年だ、地獄にまで面倒くさいお荷物をしょっていきたくはなかったんだろうさ。さあ、こいつで話は終わった……あたしは戻る。あんたらは好きにしな」

 皮がめくれた大ケヤキを目印に――そう伝えるとこちらの答えも待たず、シスターは歩いていってしまう。その背中にたまらず私は再度、大きな声で呼びかけた。
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